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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説「遺言」最後 28話

矢上さんは 父さんとあった最後の日を話てくれた......

それは......
回想

柏木さんと出会ってから 共に 三田村について 調べていた。
俺は あの頃の 記者の経験を生かし 三田村に 不審な動きはないか 探り何日も見張っていた。

柏木さんは 俺とは別で 過去から三田村の今に繋がる糸口があるかを 探してた......
そんな日が 何日も 何ヵ月も......続いた ある日
柏木さんから 連絡が入り 落ち合う事になった。
この日は 朝から雨が降り待ち合わせの時間頃には 大降りの雨に変わっていた。
待ち合わせ場所は 人目のつかない 細い路地を入った所にある 昔ながらの薄暗い喫茶店
奥の席で アメリカンを飲みながら 久しぶりに会う 柏木さんを思うと心が踊り待ちどうしくて 時計を何度も確認し 柏木さんの来るのを待っていた...が 雨のせいか......
1時間.....2時間......3時間.......時間だけが過ぎて 何度か席を立ち 外を確認しながら待つが......来る気配がなく
とうとう 閉店の時間がきてしまい........喫茶店を出ようと 席を立った その時
カランコロン 入口のドアに付けてある鈴のねが聞こえ
入口に目をやると 腰を屈めながら よたよたと 柏木さんの姿が......慌てて柏木さんの元に駆け寄り肩を貸し
マスターに少しだけ 柏木さんを休ませる時間をもらい 柏木さんをソファーへと座らせた。
急いできたせいなのか 息が乱れ コップに注がれた水を 一口柏木さんに飲ませながら
「柏木さん!大丈夫ですか?そんなに慌ててこなくても 明日にしてもよかったんですよ。」
そう声をかけた。
柏木さんは ゆっくりと 呼吸を整えるように 息を吸って吐いてを繰り返し
「す スミマセン......遅くなって......しまい......はぁはぁ......コレを......」
俺の手に......そして
「いつか ......息子が......矢上さんに...会いに 来たら......その時 一緒に......聞いて ください。それまでは......聞くのを 我慢してくださいよ......」
柏木さんは 笑顔でそう話すと
「スミマセンが......遅くなり過ぎて 今日は、これで帰ります......また、明日...」

これが 柏木さんと最後になるとは 思ってるはずもなく 柏木さんに会えた事が ただ 嬉しくて......明日また 続きを聞けるだろうと 軽く考えて 渡された ボイスレコーダーを カバンの中に落とした......

AM5:22
携帯電話から流れる 太陽の破片の着信音で起こされ 無理やり 出にくい声を出した
「はい...もし......」

柏木さんが......死んだ......