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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説「遺言」 名前 7話

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長い間 父さんは......この女性の事を 気にかけ 会いに来てた......そんな事は 僕も 知るはずもないが 母さんは 知ってたのだろうか......
ふと そんな事を 思ってしまった。

僕は 父さんの子供で 大人の事情とやらは 考えた事はなかったが
もし 夫婦だったら......この事情を 隠したまま 死ぬまで 一緒にいられるだろうか......そんな事を 考えてたら

ふと 気になることを 思い出し 尋ねてみた
「僕の父と あなたの ご両親は 知り合いだったのでしょうか?」

また、少し考えた様子で 黙り込んだ...
きっと また頭の中で 言ってもいいか 言わない方がいいか 選んでるんだろう......
「この際だから もう......言っても いいんじゃないですか?父も亡くなって あなたと 関わりは無くなったんだから」

僕は 少し嫌みな感じで 言ってみた...もう 会うこともないし 僕だけが 何も知らない状態って おかしいだろう そんな気持ちを 少しだけ出してみた。

迷ってたみたいだが 少し決心が出来たのか 少しフランクに 話始めた。

「柏木さんが 初めて家に来たのは 父が亡くなって 1週間くらいだったと思う......母が 柏木さんに 何か話てるのを覚えてる......内容は 分からなかったけど 柏木さんと会う前 父が死んだ日 母は 何度も なんで死んだのかと 誰かに問い詰めていて よく電話で 揉めていました。
その時は 誰と何を揉めているのか 分からなかったけど 柏木さんが 現れてから 何ヵ月か過ぎて 母が 柏木さんに 泣きながら お礼を言っていました。
それから......母が誰かと 揉める事はなくなり
私は......柏木さんが 母を助けてくれたんだって......
母が 亡くなる前に 何かあった時は 柏木さんに 相談しなさいって......
だから 母が 亡くなった時......私は 柏木さんに 手紙を送ったんです......
それからは さっき話通りで 柏木さんが 亡くなった事は あなたのお母さんから 伺いました。
あなたに 話せないんじゃなくて あなたに 話しても......って 思ってしまって......すみません......」

それも そうだな......聞いたからって何か 変わるわけじゃないし......ただ 母さんは 知ってたんだな......それだけは よかった......

「教えてくれて......ありがとう。もう会う事もないと思って 変な言い方をして...悪かった......最後に 名前だけ 聞いてもいいかな......」

「陽子です。佐山 陽子です。」

「陽子さん......お元気で...失礼しました。」
そう言って この人の 家を後にした。