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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説「遺言」顔 29話

今日で何日目だろうか......矢上さんから 渡された 父さんが最後に残した ボイスレコーダーを......まだ聞けずに......眺めていた......
父さんの死の真相が 分かるかもしれない。
もしかしたら 犯人が分かるかもしれない。
もしかしたら......と......

事務所の椅子に腰掛け 机の真ん中に置いた ボイスレコーダーを 眺めながら 自問自答を繰り返していた......

そんな時......
バァーン
眺めていた ボイスレコーダーが 上下に小さく飛び跳ねた......よくよく見ると 机の上に 両の手の甲が......その先を辿ると そこに......僕を 怖い顔で睨む 陽子さんが......
「わぁー!?」
思わず声を 上げてしまった。
陽子さんは 僕を睨みながら
「後何日そうしてるんですか!!いい加減 脳ミソに ウジが湧きますよ!」
陽子さんの 怒る顔を初めて見た。
そして、怒りながら 目には涙が溢れ
僕に......強引に手鏡を 押し付けた......
陽子さんの 言うように 脳ミソに ウジでも湧いたのか 手鏡を手に 僕の顔を映した......

( あれ......こんな顔だったか......ハハハ感情も上手く 出せなくなって......まるで......廃人だな......)

「ごめん......」
声も上手く 出せなく 蚊の鳴くようなか細い声で 一言伝えるのが やっとになっていた......僕自身 僕に何が起きているのか 分からず
側で見ていた 陽子さんが それに耐えられず 僕を...現実世界に戻してくれたようだ......