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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説「遺言」侵入 14話

僕 は タクシーの運転手が 話た内容を頭の中で 整理しながら 無言のまま 後部座席で揺られ 陽子さんが隣にいることも忘れてしまっていた......

後から考えれば 陽子さんも不安だったに違いないが この時は 余裕もなく ただ事件じゃないと言う ストーリーを頭に描いていた。

そんな事を 考えている間に タクシーは 家の前で停車

僕たちを 下ろすと タクシーは すぐさま走り去ってしまった。
外からでは なんら あの時伺ったままで なんら変わりわなく見え
とりあえず インターホンを鳴らしてみた。

誰も出てくる様子もなく どうしたものかと考えていると 陽子さんが
「ねぇ!明くん この門空いてる......鍵がかかってないよ!」

不法侵入になるかも しれなかったが やっぱり 気になるし ここは 中に入って確かめたい 気持ちが 勝ってしまい 僕と陽子さんは 門の中へ 入った。

門を入り 短いアプローチを通って 玄関の前へ
今度は 僕が 玄関の扉を開けて見た。

すると......
簡単に扉は開いた......
僕は この時 初めて息を飲むと言う 意味が分かった。
そして、 陽子さんを 見ると ゆっくり頷き 中に入るんだと言う 無言の合図を僕に送り
少し早くなる 鼓動を感じながら 家の中へ足を踏み入れた......

携帯のライトを 頼りに玄関の段差を乗り越え 廊下を進む
カーテンが 閉めきっているせいで ほとんど何も見えず 携帯のライトだけが頼りだった。

あの時 僕が通されただろう部屋を 確認し ほぼほぼ 変わった形跡はなく事件じゃない気がした......

「あっ!」
突然 陽子さんが 叫び 僕は 腰が抜けるぐらい 驚いた。
「なっ何?」
暗くてよかったと 内心思い 冷静さを装い尋ねた。

すると、何かキョロキョロと 探している様子で
「どうした?」
「あっ!ごめんなさい......わたし この前 連絡した時に 留守電入れたから 確認したい事が......あっ!」

突然 携帯をかまいだすと
どこからか 電話のベルが 聞こえてきた。音のなる方に 進むと リビングで電話が鳴り響いていた......
陽子さんは 一旦 携帯を切り ライトと何かを確認していた。

次の瞬間
ガタン 大きな音と共に
陽子さんが 持っていた 携帯が 床に転がり落ちていた......