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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説「遺言」 深まる謎 6話

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女性が持ってきたのは 腕時計だった。

腕時計の 針は止っていた......
「その腕時計は 預かる時には もう動いていなかったので......」
何故 父さんは 動いていない 腕時計を わざわざ 預かってもらったのか......
その意図が 分からなかった。
それに......
「最後に 僕の父とあったのは いつ頃ですか?」
もう一度 聞いてみた。
女性は 少し考え 言葉を選びながら
「......今年の 7月頃だと......」
父さんが亡くなる 2ヶ月くらい前か...
「父が 亡くなった事は ご存知でしたか?」
数秒 目が泳いだような......気がしたが小さな声で
「はい......」
と、頷いた。
「何処で その事を?」
僕の問いに 女性は 止めてほしそうな 空気を流し 黙り込む
「何処までなら 話せますか?」
僕は 一応 女性に対して 考慮しながら聞いてみた。
僕に背を向けながら 数分考え ようやく 口を開いてくれた。
「今は お答えする事は できないです......ただ......父が亡くなった後に 柏木さんには いろいろと お世話になり 感謝しています。母も病弱で 私もまだ 子供だったので 気にかけて 頂きました......私が 高校生の時に 母も亡くなり
何ヵ月に一回 私の近況を 気にかけ 会いに来て......」
途中で 言葉がつまり 話せない女性に これ以上 聞くのが酷だと 悟り......僕自身も 感情の複雑さで 聞くのに 正直 堪えられなかった。

父さんは......僕に何を 見せたいんだ......

この時 僕は 父さんが 何者だったのか知るよしもなく ただ......こう言う状況が この先も 続く事を 予感し 自分の感情の 置き場を 探せるのだろうか......そんな事を 思ってた。