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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説「遺言」疑惑 5話

家にいつ帰るかも 分からない 父さんの帰りを 待ってた頃もあったが......いつからか その思いも薄れ
居ないものと 思うようになってた......

そんな昔の事を 思い出したからと いい思い出なんて......なかった。

そんな妙な感情を 打ち消すために 次の場所へ向う事にした。
電車に乗り 途中の駅で 特急快速に乗り換え 三重方面へ......

到着した頃には 辺りは 日が落ち 駅周辺だけが 光輝いていた。

とりあえず 近くの シティホテルに一泊し 明日の昼頃 動く事に
チェックインを済ませ 部屋の鍵を受けとり エレベーターに乗り込んみ 5階の階ボタンを押した。

急に疲れがでたのか 体が重く 深いため息が漏れた。
少し壁にもたれ 階ボタンの 順番に光っていく ボタンの光を見ながら
エレベーターの開くのを待つ

5階ボタンが 光ると同時に エレベーターが開く
僕は 改めて 鍵番号を確認し 部屋を探した。
503の表示の前で足を止め ドアの鍵穴へ鍵を入れ回すと
カチャ
鍵の開く音が聞こえ ようやく中へと入る事ができた。
ドアを開け 僕の向かう先は......ベッドの上
倒れ込むように 大の字に寝 重いまぶたを ゆっくりと閉じた。
「はぁ~」
また、深いため息が......こぼれ

もう このまま 目を閉じて 眠ってしまいたい......何も 考えず...眠りたい。

この時 本当に 僕は そのまま朝まで 眠ってしまい 気がついたのは 朝の10時頃だった。
慌てて シャワーを浴び 着替えて ホテルのロビーへ向かい チェックアウトした。
ホテルの 反対側の通りにある カフェに入り アメリカンを頼んだ。

コーヒー豆を引く音は 耳に心地よく 漂うコーヒー豆の匂いは とても癒された。
出された アメリカンに 角砂糖を一個
入れ ゆらゆらと 角砂糖は底へと たどり着いた。
そして、ゆっくりと溶けだし スプーンで くるくると回すと 溶けだした角砂糖は 優雅に踊り 静かに消えてしまった。

そんな 工程を見ながら 一口喉を通す 鼻に流れる香りは 穏やかで 今の僕には媚薬だった。

気持ちも落ち着き 前に進む事ができた。

カフェを出て 駅のタクシー乗り場で タクシーに乗り 運転手に住所を伝え 向かってもらった。
タクシーの中で
この街も 僕が昔住んでた街......だと思い出した。3ヶ月くらいしか 住んでなかったから 忘れてが 面影があった。

きっと 父さんが 残したここに書かれてる住所全てが 昔 僕たちが 住んでた街なんだろう......

タクシーが 止まった先は アパートの前だった。

タクシーを降り アパート1階の102を探し
インターホンを鳴らし出てきたのは
僕と同年位の女性だった。

家の中へ通され 正面の棚に 飾ってある写真に目が止まり 目を凝らしながら見ていると
「その写真は......私の父です。もう亡くなりましたけど......」
そう話ながら お茶をテーブルの上におき
「よかったら お茶をどうぞ」
僕は 軽く頭を下げ
「あっすみません。ありがとうございます。」
そう言って お茶を頂いた。
「あのー突然 伺って すみませんでした。僕の父は 柏木倫明って......」
また、言いかけたら
にっこり 微笑んで
「最初に お顔を拝見した時に すぐ分かりました。あっ柏木さんってお顔が すぐ浮かんで わざわざ 遠い所から 来てくださり 嬉しいです。」

その言葉に 違和感を覚え
「あのー失礼な事を 伺って申し訳ないんですが......とう......父と最後にあったのは いつ頃ですか?」

気のせいか 女性の顔が一瞬

「そう言えば 柏木さんから お預かりしていた物があるので ちょっと お待ちください......」

僕は なんだか かわされた感じがして...気になった。