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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説「遺言」 乱れ 4話

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帰り際 おばさんは 僕の目を ジーっと見つめながら
「あなたは お父様の事 どう思ってるの?」
唐突に 聞かれ どう答えようか 少し迷ったが 僕は 正直に答えた。
「僕は......父さんと あまり......ほとんど一緒に過ごした 記憶がないんで......本当のところ......何も 思わないです。」

そう......僕は 冷たいかもしれないが 父さんへの 感情を いつからか......何処かへ 置いてきたのかもしれない...

おばさんは 少し悲しそうな目で 僕を哀れんでいるような 表情で 僕を見つめ
「そうなの......倫明さんも 辛かったでしょ......きっと......」
おばさんの そんな言葉が なんだか......うっとうしくて その場を 早々に後にした。

帰りのタクシーの中
僕は 父さんの 挑発に乗ったことを 少し後悔していた......別に 父さんのいい人話を 聞きに来た訳じゃない......僕は...ぼくは......父さんの事なんか......知りたくないんだ。

今は 次の街に 向かう気力も 起きず 駅の側の パチンコ屋で タクシーを降りた。
僕は この今の感情を 消したくて パチンコを打つことに 集中すれば 忘れて 次に向かえるんだと 暗示をかけた。

1万円が プラス2万円になっても 気持ちが変わる事はなく ただ...変わった振りをして 心を誤魔化した......