僕は 車窓に写る 自分の顔が なんだか嬉しそうに見え 心の中では この状況を楽しんでいるのだと 気づかされた......
父さんが 残した 遺言には
(父さんの 遺産が 欲しければ 探してみろ お前にできるなら......)
と、僕を 挑発し
いくつかの 住所と名前が書かれ 一緒に地図が入っていた。
映画の観すぎなのか それとも マンガの読みすぎなのか......僕が ただのアホなのか......胸が踊る 衝撃を受けてしまった......会社まで辞めて......
実際 僕は 父さんの事を よく知らなかった......小さい頃から 父さんの仕事のせいか 引っ越しばかりで ろくに友達も作れず 短いと3ヶ月で 引っ越さなければいけなかった......
僕は それが嫌で嫌で 父さんを恨んだりもしてた......だからか 早く家を出て一人暮らしをしたんだ。
父さんの仕事が サラリーマンだったのか よく分からなかったけど
僕を 挑発してまで こんなに回りくどい事をしても 探してほしいなら 探してやるよ
その遺産を......
そんな事を 思ってると
車内アナウンスが流れ 次の駅が 最初に降りる駅だと教えてくれた。
その駅は 僕が小学校の時に 住んでた街の駅だった......
