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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説 新作「遺言」1話

デビカ 地図 日本地図 いろいろ書ける消せる日本地図 073101

ガタンゴトン ガタンゴトン
僕は一人 電車に揺られながら 地図を眺めた......


9月の下旬となると 朝はなんだか肌寒く 日中は暑いといった 寒暖差が激しく着る服に困る時期だった。

そんな時期 一本の電話で 僕は 起こされ
(マジ勘弁してくれよ......今何時だと思ってんだ......たく)
明け方の5時頃で 僕は うんざりしながら 電話に出た。

「はい!もしもし............」

あの電話で 父さんが死んだと 母さんから聞き 急いで実家に帰郷し バタバタと 悲しみにくれる 余裕も全くなく

お通夜 葬式とこなして日々が過ぎ

父さんが死んで 母さんは やっぱり寂しいのか 一人ボーッとしてる事が 多くなってた......
けど 僕は18歳の頃から 実家を離れて 一人で生活してたから あまり 父さんが死んだと言う 実感もわかず
母さん程は 悲しくなかった......

49日が過ぎ
母さんには 悪いと思ったけど 元の生活に戻りたくて 母さんに 気持ちを伝えた......
数日が過ぎ 僕が 帰る日

母さんは 仏壇の 小さな引き出しの中から 封筒を取り出し 僕に手渡した。
「父さんから お前に......それを持って 帰りなさい......」
そう言って 立ち上がり 部屋を後に......

僕は ポケットの中に 封筒をしまい 荷物をまとめて 実家を出た......


電車に揺られ 地図を片手に あの日の母さんの事を 考えていた......

あの時 僕は家に戻り 渡された封筒の中身に 衝撃を受け......父さんの残した遺産を探すために 勤めてた会社を 退職し
今 電車に乗っていた......。