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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説「遺言」約束 18話

走って走って 息からがらに たどり着いたのは 廃墟跡地だった。

僕も陽子さんも 息を整えるのがやっとで クタクタになっている所を 子供が

「おじさんたちが 探してた人 ここで死んだんだよ!」
おいおい 子供が とんでもない事を 口走り 開いた口が 塞がらず 脳内が混乱し初めた。
「待てよ!空き家じゃないのか?」
子供は 淡々と
「あれは ニュースが 間違えただけだよ」
あっさり 言いやがって......
すると、
真顔で 僕に近づき 目の前で
「おじさん おじいちゃんの仇を とってください。」
急になんだよー 泣きそうな顔して......
僕は......マジか......信じられなかった...僕自身が こうゆうのに弱いんだということに

「分かったから......一つ聞くけど 君とあの おじいちゃんとの関係を 教えてくれるかな」

少し困った様子だったが 答えてくれた。

「お母さんには 内緒だから 絶対に誰にも言わないで!」
僕は頷き 約束をすると また 話始め

「おじいちゃんは 僕と同い年の孫がいたらしくて ただ...死んじゃったから 僕を その子と重なって見えるって 優しくしてくれたし いろんな昔のオモチャを作ってくれたり 大好きな おじいちゃんだったけど 殺されたんだ!あの人たちに!」

おいおい......また急に とんでもない事を 言うな......待てよ......あの人たちって
僕は ポケットの中に入れた 現像した写真を 子供に見せた。

一瞬で ある写真の 一人を指差し
「あっ!この人だよ!おじいちゃんを連れていったの!僕が おじいちゃん家に遊びに行った時 見たんだ!お母さんにも 警察の人にも ちゃんと話したのに誰も 信じてくれなかった......お母さんは この話は 誰にもしちゃダメだって言うし......ずっーと ずっーと前 おじいちゃんが言ってた。
誰も信じられないって 思っちゃダメだよって おじいちゃんも そう思った時が合ったけど 助けてくれる いい人もいるんだよって......だから 僕 ずっーと 助けてくれるいい人を 待ってた。そしたら現れたんだ。おじいちゃんが言ってた通りだった。おじさんたちが 仇をとってくれるんだよね!」

ふと、父さんの顔が浮かんだ......父さんが やり残した事が これなんだと
そして、子供が言う おじいちゃんのいい人は 父さんだと それなら やるしかないだろう そう思い 陽子さんを見ると
陽子さんは 頭を上下し 親指を立てて見せた。

僕は 子供の頭を 優しく撫で
「約束する。必ず おじいちゃんの仇をとってやる。
だから 君は それまで 誰にも この事を話さず 僕たちが 仇をとって 君に会いに行くまで 待ってると 約束してくれ!」
そう言うと 無邪気に微笑む 天使のような 笑顔を見せてくれた。