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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説「遺言」回想 26話

父さんが 残した遺言から 始まった事件 この先の未来に 何が待っているのか 知るよしもなかった......

あれから 矢上真一の口から 父さんとの経緯や今に至るまでを 全て話してくれた......

それは......(回想)

「おーい!矢上!市長にアポとって あの事件の 取材してこい!トップニュースになるからな!アポ取れるまで張りつけ!分かったな!」

人使いの荒い上司に捲られ 俺は 気が乗らない 重い腰を上げ 市長の三田村にアポを取るため 市役所へ向かった。
普通なら 簡単にアポ取りできないはずが......秘書を通じて すんなりと アポが取れ取材もOKとなった。

日取りも決まり 後日 カメラマンと一緒に出向き
待っていた秘書に 案内されながら 俺は 三田村にする 質問の内容を頭の中で整理していた。
秘書の足が止まり
市長室の表札が張られた扉の前で......秘書は 軽く右手の甲で二回扉を叩き 扉を開ける......

そこで 初の顔合わせとなり
三田村はジャケットの胸元から名刺を取り出し 俺の前に差し出し にこやかに 微笑んだ......
俺も 同時にポケットから 名刺を取り出し 三田村に......
三田村の 目の奥が 笑ってない その異様な感じに 体が拒否るのを感じながら 渡された 名刺をポケットへ

座ってもらう位置や カメラマンの配置を整え 三田村への質問を 整理した。
ソファーに座る 三田村の正面で メモを取りながら 幾つか質問を始め 取材がスタート......
俺は 質問をしながら 三田村の目の奥に 吸い込まれような 異様な威圧感を感じ メモを取る手に 嫌な汗が滲み出ていた......
そして 俺は......
早いとこ 終わらせたいが為に 記者としての本質を忘れ 無難な質問で 終わらせてしまった......

その数日後
亡くなられた 子供の母親が自殺をし日に日に 病んでいく父親の話が耳に入り......俺は 後悔しかなかった......どんだけ悔やんでも 俺が書いた記事で 人が死んだ 事実は 消せるはずもない

俺自身も 現実から逃げたくて 日に日に病んでいくのを感じていて......仕事に身が入らなくなっていた。

そんな日々が 地獄のように続いた ある日 俺を訪ねてきたのが......
柏木さんだった。