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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説「何処へ」4話

一年後

なんとか街は 少しづつ 元の形へと近づき いろんな人たちの 支援やボランティアの方々の協力で 僕を含め 残された 街の人たちは 何とか生活が 出来るようになった。

僕が 働いていた リサイクルショップも 小規模には なったけど 何とか店を開ける事ができた。
それから アパートも やっと住めるようになり 少しずつ前に進めた 気がする......

そして、あの時 ラジオの君が 何故 僕の名前を知っていたのか......ようやく考える事ができる

あれは 決して ラジオ放送なんかじゃなく よく分からないけど......
叶うものなら ラジオの君に 会いたい......

それからの僕は 働きながら 手掛かりに なる物は 全て調べた。

そして、ラジオから 君の声が流れてくるのを待ってた......でも、あの日から 君の声が 聞こえてくる事はなかった......

月日だけが流れ いつものように 店に出勤した ある日

店のお客様で 年齢は50歳位の 女性の方が
訪ねてきた。

「あの......失礼ですが ここで 働いて見える トオルさんと言う方は いらっしゃいますか?」

僕の知らない方だったので クレームかと思い
「はっはい!僕ですが......何か 不備でもあったのでしょうか......」
答える間に お客様は 僕をジッーと見つめると 涙を流した......
さすがに 慌てて
「あの......何か 問題があたなら 申し訳......」
言いかけて
「いえ、違います。こちらこそ スミマセン。娘が あなたの事を話てたので......つい」
はて 誰だろう?
「あの...失礼ですが 娘さんのお名前を伺ってもよろしいですか?」
女性のお客様は 慌てて カバンの中から 封筒を 僕に渡すと
「あの......勝手で スミマセンが これは 娘が書いたメモです。ここの住所とあなたの名前が書いてありました。娘の名は サクラと言います。大変 失礼な事を 言っているのは 分かっていますが......娘の事は ご存知でしょうか?......」
僕は 記憶になくて 申し訳なかったが
「スミマセン......ちょっと記憶になくて...」
と、答えると 肩を落とした様子で
「そうですか......」
そう言われると 店を後にされた。
僕は 呆気にとられ なんなのか 分からず メモ書きを 受け取ってしまった。

それを見てた 同僚の杉田さんが
「あれ?あの方は 確か......前にも 娘さんと一緒に来てたような......何々 なんかあったの?」
そう言って 僕の顔を除き混んだ。
僕は メモをエプロンの ポケットに隠すと
「何にもないですよー」
と、この時は 深く考えず やり過ごした。
そして、
仕事終わりに コンビニで ビール一本と チータラを買い アパートへ

誰もいない 真っ暗な部屋の明かりをつけ
お風呂の湯を入れた。

今日は 何か変な一日だったなと思いながら沸かした お風呂に入り 疲れを癒した。

お風呂から出て飲む 一本のビール これが堪らなく好きで 自分への 細やかなご褒美だった。

テーブルに コンビニで買った チータラの袋を開け ビールを飲みながら つまむ
ふと、渡されたメモを 思いだし リュックの中を手であさった。

リュックの中から メモを出し ある一つの言葉に目を奪われた......

そして、 涙が溢れ......て止まらず 何度も何度も その言葉を指でなぞった......