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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説「引き継ぐ思い」39話

過去の僕が 作ったシナリオは サクラの屋敷にあった 書物だと......
ここで 初めて知った。

言われてみれば サクラは書いていないと言っていた......あの書物を書いたのは過去の僕......
複雑な思いが 頭の中を交差し 初めから 僕らは こうなる運命だったんだと 痛感させられた......

ラジオから 聴こえた声も サクラと初めて出会った あの出来事も
そして、今ここにいる僕らも 全て 過去の僕が......僕らは 翻弄されて 生きていたんだ。

どうしようもない 怒り......なのか 僕の心臓がスピードを上げ 苦しくて......苦しくて どうしようもなく 涙が溢れた...

ただ分かるのは 過去の僕も どうしようもなく 苦しくて 何度も 自問自答を繰り返し たどり着いた......
あがきながら 生き抜く 未來の為に
そして、サクラに会うために......


過去の僕が
「何度も 繰り返した過去で 分かった事は
あの隕石は 重力空間の波でできた 時空の歪みを通って 過去から 未來に 現れたものだった。
それは何度も繰り返し起きている......
君が経験した あの隕石も 過去からきたもの......
ただ それは一部に過ぎない。
僕が 過去に戻る前に 最初に見た光景は この世の終わりだった......

僕が何故 過去を何度も 繰り返さなければならないのか......
その理由は......
推測だが 隕石の落下を 最小限に止め残りを分散させ 未來に送る事......
それを 君に引き継ぐ事......
この研究所は そのために造った 。
全部 東條さんに任せてあるから......」

この言葉が......最後だった。

過去の僕は 本当の居場所に 戻れたのだろうか......
消えてゆく姿は 何処か寂しく はにかんだ笑顔は 何処か 安堵がみえた......。