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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説「サクラ」6話

初めて入る お屋敷は 門から玄関までの 距離が長過ぎて 僕を不安にさせる......

もうお腹がいっぱいだ......見てるだけで そんな気分になる
お屋敷の玄関前 案の定 頑丈な扉は 勝手に開いた......
僕の目の前に お手伝いさんらしき人が 誘導してくれ.....
覚悟を決めながら 通された部屋で 待つ
部屋の壁に 飾られた絵は きっと有名な 画家さんの絵なんだろう そんな事を思いながら待っていたら
店で 手紙を渡してくれた 女性が 部屋に来て
「わざわざ 足を運んで頂き ありがとうございます。」
と、深々と頭を下げられ
僕の緊張もマックスに 口が回らず
「いっ いえ こちらこそ......その節は......」
何を言ってるんだか 自分でも理解できない。

メモを渡してくれた女性に 連れられ この広いお屋敷の 二階へ......螺旋階段は外国の宮殿を思わせ 吹き抜けた天井には 長いシャンデリアが......胃が痛くなりながら ゆっくりと上がり 二階へと着いた。

長い廊下を歩きながら 幾つもあるオープンな部屋をチラ見しながら 血の気が引くのを感じ 突き当たりの 部屋へと案内された。

メモを渡してくれた女性が ドアを開けると
お姫様ベッドのような レースカーテン見たいなのが ベッド上に垂れ下がっていた。
なんだこりゃ なんて思い ベッドに近づくと

そこには......
「娘のサクラです......一年前から ずっとこのまま 意識が戻らず 眠ったまま......」
メモを渡してくれた女性 イヤ...母親がポツリと口にする......
そして、娘の体の向きを変えながら
「こうやって 向きを変えてやらないと 娘の体が床擦れ.....してしまうので......すみません」

そう言う 母親の目は うっすらと潤んでた......

窓から差し込む 夕空が 眠る君を茜色に染めた。
初めて見る 君の横に ラジオがそっと寄り添うように......
僕は 自然とラジオに 手が伸び
「このラジオは......」
と、尋ねたら 母親は
「そのラジオは あなたのお店に 行った時に 娘が あなたから貰ったって...すごく 喜んでて......。」
全然 思い出せなかった......僕は 君と出会ってた事を......
「あの......すみません...失礼な事を お聞きしますが......娘さんは 僕の事を前から 知ってたんでしょうか?」
母親は 少し困惑した様子で
「お話しをしても 信じては もらえないかもしれませんが......あなたの お店に行く前から娘は あなたを知っていたようで
ただ......あなたから 貰ったラジオの前に 昔から大事にしてた ラジオから あなたの声が聞こえたと 話ていました。ごめんなさいね...変な事を言ってるでしょ......最初 私も信じてなくて......ね
でも、そのラジオが壊れてしまって 娘が
もう、あなたの声が 聞こえないって
その後、あなたのお店に 行ったら 本当にあなたが そこで働いていたって ラジオを貰ったって......
でも、私は 信じてなくて 娘が おかしくなったのかと......
だから、あの日も 娘の事を信じてやれなくて......あなたの所に行くと言う 娘を部屋に閉じ込めて 出掛けられないように......してしまったんです......そして、部屋を開けた時には娘が倒れていて...ずっと 今の状態のまま 意識が戻らなくなってしまったんです...」

この時 僕は 何故君が眠っているのか 本当の理由をまだ知らずにいた......