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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説「疑惑」21話

モーニングコーヒージャズ - 幸せで肯定的なエネルギーのためにリラックスしたカフェのピアノとサックスの音楽

思っても見なかった 登場人物に 僕の思考は停止......
我に返ったのは 中井さんの 言葉だった。

「私の依頼人の......東條さんです。」
驚きは......何度でも 繰り返し やってきた......

そして、何事もなかったかのように 淡々と会話を進める中井さん
注文した カフェオーレで 乾いた喉を 必死で潤す 味なんて 全く分からなくなっていた。
僕が 知っている サクラの母親と 今目の前にいる サクラの母親は 全く別人のような......違和感しかなかった。

僕の前に座った サクラの母親から 出た言葉は
「まずは......あなたには 謝らないと......私は サクラの母親では ありません。申し訳ありません。」
そう言って 深く頭を下げた。
「そして、あなたの事を 調べさせてもらい
同級生の中井さんに 依頼をして あなたが サクラの側にいても 安全な方なのか あなたを試させてもらいました。
結果 サクラの側にいても 安全だと確認でき
あなたに サクラを託す事に......
あなたは 意識のない サクラの側で サクラの為に 力を尽くしてくれ サクラの意識が戻るという 奇跡を見せてくれたこと 感謝します。」
ここまで 淡々と話す サクラの母親だと思っていた この女に 僕は......怒りで 体が震え 心臓が激しく 波打ち 思わず 両手で テーブルを強く叩きながら 立ち上がり
怒りで 震えた声で
「なんなんだよー あんたは!」
僕の 激しい声に 一瞬 静まり返り すさかず話を戻そうとする 中井さん
板谷くんの 怒る気持ちは分かる。騙して
ごめん!でも、最後まで 聞いてほしい。」

勝手なことばかり......

「なら......サクラの何処までが本当で 何処から嘘なんだ。」
この言葉に 女は
「私が 母親じゃない事は 最初に話した通り嘘です。でも....あなたたちが 出会う切欠は紛れもない真実で あなたたちが 過ごした時間も 真実です。ただ......あの日 サクラの意識がなくなった日 その原因 場所は......真実ではありません。」

本当に 頭がどうかなりそうで
「じゃあ あんたは サクラの何?あんたは いったい 何がしたいんだ。」
少し間をおき ゆっくりと話し始めた。