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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説「衝撃」20話

あの日

「ごめんなさい......来てくれたのに......本当に ごめんなさい......」
申し訳なさそうな サクラを見て 僕は つい紳士ぶって
「僕の事は 気にしなくていいから......退院おめでとう......落ち着いたらでいいから 連絡して......じゃ」
と、帰ってしまった。
結局、訪問者が誰なのかも 分からず サクラからの連絡も まだなく
頭の中が 靄がかったまま スッキリしなかった。

仕事中も 頭の中は
今 起きている事の 整理ができず それが 悪い事だったらと......
ネガティブな事ばかりが 頭の中を支配してた......

そんな時だった
中井さんが
板谷くん 今日 仕事が終わったら 少し付き合ってほしんだけど......」

中井さんの 言葉に 少し怪しさや 疑念もあったから 僕も聞きたかった......サクラの事を知らないフリをしていた理由を......だから
「......分かった。」
と、応えた。

これで 自分自身が安心できれば......なんだ そんな事だったのかと 思えれば 一つ不安がなくなると
この時の僕は この後 起きる 衝撃的な真実を知るよしもなく ただただ 浅い考えだった。

仕事終わり
「お疲れ様です。」
と、挨拶をして 外で待ってる 中井さんと合流した。
中井さんと 向かったのは 近くのカフェ
店内に入ると カップルのお客さんが ほとんどだった。
僕は 誤解されたくないなと 思い 中井さんから少し離れた感じで 奥のテーブルへと移動し メニューを手に 中井さんの分と2つ飲み物を注文した。

その時、中井さんの携帯が鳴り
「はい!今着きました。はい!分かりました。お待ちしてます。」
携帯を切ると
「もう少ししたら 板谷くんに 会わせたい人がくるから......」
「えっ!?誰?」
毎回 中井さんには 驚かされ 言葉を失っていると

カツカツ カツカツ カツカツ
と、床をヒールで歩く音が 近づき 僕たちの座ってる テーブルの前で 音が消えた。
見上げると......

黒の スーツ姿の......サクラの母親だった......

この時 僕の頭の中は 一瞬で 真っ白になり
暫く停止状態が続いた......