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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説 「関係」18話

仕事の帰り サクラの病室に ほんの僅かな時間 顔を見る そんな感じの毎日だった......

今日は 朝から病院へ行くことに
病院に着いたのは 10時頃だった。

3階の病室に入ると サクラはいなく 看護婦さんに訪ねると 1階のリハビリステーションで 歩行訓練をしてると 教えてもらい サクラをビックリさせたくて 急いだ。

リハビリステーションに向かう 通路で
思わぬ人を見かけ 思わず隠れた。
これは 反射的なもので 関わりたくないと言う 防衛本能だった......それは、中井さんだったから
ついつい 隠れてしまった。
恐る恐る 通路の角から顔を半分覗かせ 確認すると......
何故か リハビリステーションの中へ 入って行く姿が見えた。
あれ?!なんで 中井さんが......誰か 知り合いでもいるのか......
僕は 見つかると 面倒だと思い 中井さんが 帰れるのを待ってから サクラに会うことにした。

一時間位たった頃か 僕は 信じられない光景に 驚き過ぎて 体が固まったまま 動けず 思考までも停止してしまう

リハビリステーションから出てきたのは 車椅子に乗ったサクラと 車椅子を押す 中井さんの姿だった。

この状況を 目の当たりにして 普通でいられるはずがない。
僕は 中井さんにサクラの話はしなかったし
顔だって知ってるはずがない......
知り合いだったのか?......
回る頭もなく 二人の後を 隠れながら 後をつけた。二人は 3階の病室には向かわず 中庭へと向かった。
僕は そっと気づかれずに 中庭へ......
中庭の中央にある 花壇の前に 二人の姿が
声が聞こえる範囲まで 近づけたらと 見つからないように ゆっくりと近づき 隠れて 様子を伺うと
「この事は......秘密に してほしい。」
と、サクラの話す声が
この後 中井さんが なんて答えたのか 聞き取れず
僕の 心臓だけが ぎゅっと締め付けられた。

中井さんが 帰った頃 僕は いつものように病室で サクラと 他愛もない話をしてた......

この時の僕は ただただ 自分の心に 嘘をつくことしかできなかった。