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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説 34話「意思」

神事を 見てからのセドは 前とは違い 積極的に 村の人たちと 接するようになりました。
接すれば接する程に 世界が広がり 自分のいた天界が とてもなちっぽけな世界だったと 気づかされてしまった。

そして、使命を果たす事の意味と 自分自身の意思との狭間で 葛藤する毎日を送っていました。

そんな ある日の事
降りしきる雨が 続きやっと この日は雨が止み 青空が広がる 晴れた一日となり

久しぶりの青空に 村の子供たちは マリアとセドにせがみ 川へと連れていってもらいました。
川に着くと 大はしゃぎで 走り回るこどもたちに
マリアは、雨が降った後は川の流れが早いから 中には入らないようにと 呼び掛け
川の側で遊ぶ 子供たちを 優しく見守っていました。
セドは 子供たちと一緒に 石ころを拾い 向こう岸に誰の石ころが届くか......そんな遊びを 楽しんでいました。

そんな光景が 穏やかに過ぎ 子供たちの笑い声が とても心地よく マリアは微笑ましく 眺めて......いたら
それは、一瞬の出来事でした。
子供の一人が 川の中を 覗き込もうとした時 手を滑らせ 川の中へ落ちてしまったのです。
笑い声が 悲鳴に変わり 流れてゆく 子供を 川岸で追いかける皆
その時、マリアは 躊躇なく 川へ飛び込み 必死で 溺れる子供を 助けようと
泳ぎました。流れる川は マリアの言ったように 早く足をついて 立てる状態では ありません。
それでも なんとか 子供にたどり着いたマリアは 子供を抱き寄せ 川岸へ......

そして、
「セド‼」
慌てたセドは 子供を受け取り 泣く子供をあやし始めました。
やっと 落ち着いた子供を 下ろし振り向くと......マリアの姿はそこにはなかった...