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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説 33話 「神事」

セドは マリアと出会ってから 人間の感情と言う 未知の世界を 少しづつ知りました。
それは、セドには......嫌...天界には存在しなかった感情
マリアは、心が感じる事だと......セドに教えた。
(心が感じる......)


この村では、5年に一度 神事を行う風習がありました。
この日は ちょうど5年に一度の神事の日
早朝、まだ薄暗く 肌寒い中 村の人たち数名の男が マリアを迎えに来ました。
マリアは 挨拶を交わすと セドと共に行く事を 了承してもらい 村の人たちの案内の元 足を進めた。
山を下り たどり着いた先は......この村の 神殿と呼ばれる 建物でした。
それは、湖の真ん中に ひっそりと建っています。
村の人たちが 自分たちの手で建てたものでした。
セドの目に映る 神殿は立派な装飾がされてるわけでもなく ただ村の人たちが住んでいる家よりは ましなだけでした。
しかし 村の人たちの手で 神の為に建てた神殿は 思いが宿っているのか 湖に 浮いたように見え 湖の周りの自然の木々も合わさり とても神秘的でセドは、目を奪われ 動けなかった。

日の出と共に 光が差すと 相まって尚、神秘的空間に 迷い込んだ......

マリアは 神殿に向かう前の 装いをする為に 村の女たちが出向き 古びた小屋へと連れていかれ
セドは一人 神殿を眺め 待っていました。
その待つ時間は とても長く 昼が過ぎ また、日が落ち......
茜色に染まる湖も また幻想的で 美しく時を忘れる程に セドを魅了しました。
やっと、小屋の扉が開いたのは 月が照らされた夜の事

振り向く セドは 言葉を失い 膝不味く
そこに 見たマリアは 天女のように 美しく妖艶な......
純白の衣を纏い 風でなびく衣と 長い艶やかな髪が まるで 舞っているかのように 美しかった。
膝不味くセドの前を 通り過ぎるマリア 言葉を交わす事も 忘れてしまうセド

そのまま 用意された 渡舟に乗り ゆっくりと 神殿へと向かう

神殿に着くと マリア一人中へ
渡舟は またゆっくりと 戻ってきました。
そこから 暫く中へ入ったまま 時は流れた......
気がつくと 村の人たちは 湖のほとりに集まっており 祈りを捧げています。

何時間も何時間も......
そして、ようやく 顔を出したマリアは
空高く 両手をかざすと 緩やかな舞を踊り始めた。

この日 見た光景は セドの心を強く奮わせ 神がマリアを望む理由が理解できた。
そして、初めて神の意思と自分の意思が違う事に気がついたのです。