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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説 30話「初めて」

セドは 毎日毎日 マリアや村の人たちを監察しました。
何故だか 毎日のように 村の人たちが 代わる代わる マリアの元に来ては 釣った魚や 握ったおにぎりを 持って来てはマリアと 何らか話をし 帰っていく......

セドには その行動が分からず 最初は
マリアに 村の人たちが 持って来た物は何なのか 尋ねていました。

マリアは セドに 分かりやすく 説明しましたが なかなか伝わりません。
何故なら ほとんど全ての物が 初めて見るものだったからです。

マリアは セドの目の前で 魚のウロコを取り 竹串に差し 囲炉裏で 焼いて見せました。
そして、焼けた魚を
「セド、これは こうして食べるのよ」
そう言って 竹串の両端を 片方づつ 手で持つと フーッ フーッと 息を吹き掛け 熱を取りながら 小さな口で カプリと 焼いた魚を 食べて見せた。
セドに もう一本の 焼けた魚を 渡し
「はい!美味しいですよ。」
優しく笑いかけました。

セドは 焼けた魚を 凝視し
(これは......食べるものなのか.....う〜ん)

不思議に 思いながらも 一口頬張る......
セドの顔は 目を一瞬で まんまるく見開くと 驚きが隠せずに
「マリア!これは......なんて 美味しい食べ物なんですか!す......凄すぎます。一体なんと言う 食べ物ですか?」

マリアは クスリと笑い
「これは、焼いた魚で 焼き魚ですよ。」

セドは 初めて 美味しい物を 食べたせいか 竹串に差した 焼き魚を ムシャムシャと 勢いよく食べて 魚の骨で 喉を詰まらせてしまいました。
マリアは またクスリと笑い
「セド、魚には骨と言うものがあるから こうやって 固いものが 口の中に入ったら 指で取って食べるのよ」

マリアは お手本を見せて あげました。
セドは
「なるほど この固いものは 骨と言うのですか......これは 食べると危険ですね」
感心しながら 食べていました。

次の日も
「マリア!これは なんと言う物ですか?」

「それは、お米を......」
また、次の日も
「マリア!これは 食べれますか?」
セドの 手に持っていた物を 見て マリアは 驚き
「それは 食べないです!」
と、言いきり
セドは、手に持ってた物を 畑に戻しました。
セドが 手に持っていたのは ミミズだったのです......。
そんなこんなで セドとマリアの 生活は慌ただしく 過ぎていきました。