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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説「遺言」二人の正体 24話

この時僕は......人の 表情が こんなにもないと......人は 恐怖を感じるんだと 初めて気づき......
ベッドに 座る男性は ただ じっーと 僕たちを 見つめ その時間が 堪えられなく 重く この状況を 早く回避したくて
隣にいる 陽子さんに 声をかけようと陽子さんを見ると......陽子さんの頬を 涙が流れてた......

流れた涙を 拭くわけでもなく 陽子さんも ただ じっーと男性を見つめていた......僕たちの この空間も 他から見れば 異様なのかも......

すると、
僕たちを ここに連れてきた 無精髭の男が
「じゃ 北山さん また今度来るときは いい知らせを もって来るから......」
と......その 言葉で......
ようやく 僕は この状況を理解する事ができた。
陽子さんは きっと 僕よりも先に いや もっと前から 知っていたんじゃ......

病室を後にし 広いロビーで 無精髭の男の放った言葉に 僕は 2度やられた...

その男の名は

無精髭の男は 僕の前に立つと 今まで見せなかった 優しい......眼差しで
「柏木さんの息子......やっと...来たな
お前の探してる 矢上真一は 俺だ」

この時の 僕の表情は きっと顔芸に近く しばらく 元に戻せないくらいの 驚きだった。