研究所を 調べるにも やはり僕ら以外の誰かが 僕らを監視して 思うように動けないのが現状だった。
そんな状況の中で 僕とサクラに 面会人が来てると 連絡をもらい
東條さんに連れられ 個室へと案内された。
扉を開ける 東條さんの 背後から見えたのは
沢井と中井さんだった。
二人は 振り返ると 僕と目が合うなり 満面の笑みで 椅子から立ち上がると 手を挙げ
「よっ!板谷 来てやったぜ!」
「サクラ!板谷くん!遊びにきたよ!」
僕は 驚きで言葉がでなかった。
嬉しいとは 違う不思議な感情で 嫌ではないのは確かだった。
でも何故 ここに来たのかは いまいち理解できず 複雑なまま 呆然としてたら サクラが
「中井さん!」
と、笑顔を見せ 嬉しそうにしている姿を見て やっと素直に慣れた。
「久しぶりだな 沢井!」
そう声をかけると 沢井は 子犬のように まとわりついて 大変で
「分かった!分かったから......まぁ座れよ」
ひとまず 椅子に座らせ 落ち着かせた。
この時 東條さんは 募る話もあるだろうと 気を使い 個室の外へ 出ていった。
僕は 中井さんの事を 東條さんから聞くまで誤解してて あれっきりになっていたから どう対応していいのか 分からなかった......
でも、そんな事は 何もなかったように 普通に接してくる 中井さんに 僕は救われ
時を忘れ 4人で 他愛のない会話に 花を咲かせた......
何時間か過ぎた頃
沢井が さっきとは うって代わり 真面目な顔で
「で、板谷たちは これからどうするんだ ここで......俺たちに できる事があったら 言ってくれ......役に立つか わかんねぇけど......二人だけで 背をう事じゃねぇだろ」
まったく......沢井は
「沢井......お前って そんなに熱いヤツだったっけ......」
照れ臭いのか 苦笑いしながら
「うっせぇ......」
と、目を反らす 沢井に
「ほんと......いいヤツだな 沢井は......ありがとう......でも、お前らまで 巻き込むわけにはいかない......それに この研究所も 表向きは 重力の研究だけど パソコンで調べて見てもこの研究所は出てこないし 地図にも この場所に 研究所はないんだ......僕らは まだ ここで何かをさせられてもない......
ここが 安全なのか 信頼できる者がいるのか
なにも......分からないんだ......
そんな 状態だから なんの保証もできない。」
すると、今まで 黙って聞いてた 中井さんが
「ねぇ板谷くん......この際だから 言うけど
私 誤解されたまま 何もしないで 曖昧に終わりたくないの!それに 内側からは見えなくても 外側から見える事も あるはず......
それに......多分 東條さんは 味方だと思う」
その言葉に サクラも
「私も 東條さんは 味方だと思う......私が意識がない時 側にいてくれたのは 東條さんとトオルくんだけだもん。
何も言えないのには きっと理由があるんだと思う」
3人が揃って こんなにも 必死な顔で......
「......そうだな......」
この日から 二人だけじゃなく 4人で この世界を救う為に 動き出した。