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小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説 25話 「再び」

セドとネリネは マリアにお別れを 告げず
再び まやかしのいる時代へ......

二人は マリアの暮らす森へ向かうと
あの時 見た光景とは 全く違う光景でした。

森の中に 一件ひっそりと 小屋が立っています。その小屋で暮らしているのは あの時と同じで マリアでしたが......
小屋の入口には 村の人たちが 一列に連なっていました。

二人は 驚きマリアに また何かあったのかと 急いで 村の人たちをかき分け小屋の中へ入り 目を疑う状況を目の当たりにしてしまったのです。

それは......村の人たち 一人一人が 順番に マリアの手を握り 感謝の言葉を口にする者 涙を流しながら 感謝する者で溢れていました。

暫く セドもネリネも 呆然と立ち尽くしたまま 声を掛ける事が できなかった。

村の人たちが 帰った夜
マリアは 言いました。
「私の今があるのは ネリネとセドが あの時 会いにきてくれたからだよ......ずっとずっと 心の中に 寂しい気持ちがあったの......
でも、あの日 ネリネが私の側にいてくれて 一緒に遊んでくれたり いっぱい話を聞いてくれたり......あの頃 初めて友達ができて 笑い合えた......何かあるとセドは 私の気持ちになって 助けてくれた......生まれて 初めて嬉しいって こんな感情なんだって そして、ずっとずっと 言いたかった。
ありがとうって......あの時 村を救ってくれて......二人は いなくなっちゃったけど......また、会えると思ってた。
ありがとう......私は もう大丈夫だから
今度は 私がどんな時も 離れていても
心はずっと側にいるからね......」

この夜 三人は同じ思いを胸に お別れをし
そして、再び マリアに会いに 時代を戻り 初めて出会った 100年前へ......


この時 100年前の状況が変わっていることは......まだ知らない二人でした。