crossorigin="anonymous">/script>

小石川弥生のブログ小説

ブログで小説 絵本、イラストを書いています。

ブログ小説 「過去」2話



黒のオーラを纏い
怒りに任せ セドの向かった先は
介護施設......
セドは 悪魔だから 行きたいところは すぐにでも行ける マリアのように
特別な力を 持ってない限り 人間なんて意図も簡単に 探しだせる

この時ばかりは 悪魔の能力に 感謝したセドだった......
憎しみなのか 悲しみなのか 分からない感情の元 車椅子に乗った .........
マリアの母の前に立った

人間の姿を借り 母の前に 立つ姿は 人間から見れば 息子だろう......

セドは マリアの母を 見るなり
両手で 車椅子の肘置きを 掴んで 腰を落とし 正面で 母の顔を 見ながら問う

「何故 あなたは 何度も何度も......
マリアを捨てたのですか?
何故、何度も何度も 戻って来たのですか?」

その問いに 答えるはずもない......
マリアの母は 自分の事すらも 分からないのだから
「愚かな人間......自分自信も 分からないとは......」
セドは マリアの 母の頭に 手を置き
マリアが死んだ 全てを見せた。

「あなたの罪は 自分勝手な欲で マリアを振り回し 本当に会いたい時に マリアの側にいなかった......あなたは今 心の奥底で マリアに会いたいと 願っている......それは 決して叶わぬ あなたへの罰......その悲しみと共に 生きよ!
あなたが 死ぬ時まで......。」

そう言って セドは姿を消した。

介護施設の とある部屋の片隅で 車椅子に乗った母が......泣き叫ぶ声が むなしく響いてた......。

つづく